通信制高校の大半は私立校のため、学費について気にされている保護者の方も多いのではないでしょうか。そこで、通信制高校の相場感、そして、支払い負担を少しでも軽減するための国や千葉県の制度をまとめました。
学費は大きく分けて、入学金、授業料、諸経費に分けられますが、全日制高校と同様に、通信制高校でも、 公立と私立では金額が大きく異なります。
公立の通信制高校の費用相場は、入学金500円程度、授業料が年間で1万円程度、諸経費年間3万円程度(2020年12月現在)と非常にリーズナブル。
ただし、公立高校では自主学習+レポート提出が基本。週1日のスクーリングが定められてはいますが、費用が安い分、学習面やメンタル面でのサポートは期待できません。 また、卒業率も私立高校より低くなっています。
※参考URL(目安一例):千葉県立千葉大宮高等学校(https://cms1.chiba-c.ed.jp/chibaohmiya-h/Q-A/)
一方で、千葉県内の私立高校(技術連携校やサポート校も含む)の費用相場は、入学金1万円〜10万円程度、年間授業料は10万円~100万円程度(※2020年12月時点、編集部調べ)と、公立に比べて高く設定されています。
これは、多くの学校で多様なカリキュラムを設定したり、インターネットを利用した授業体制(e-ランニング)を整えたり、学習面やメンタル面でのフォロー体制を構築するなど、きめ細やかなサポートを提供しているためです。進路指導や、卒業後の進路を考える機会も豊富に設けられており、卒業率も公立校より高くなっています。
公立校と私立校では費用に大きな差がありますが、サポートの内容や卒業率、進路などを総合的に判断し、私立校を選ぶ方が多くいます。
通信制高校の学費は私立か公立かだけでなく、通学日数などによっても差があります。通学日数が多いほど学費が高く、その分、手厚いサポートを受けることができます。
自主学習・レポート提出のみ | 年間18万円~30万円程度 |
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週4~5回の通学有り | 年間80万円~100万円程度 |
美容・アート・調理師など専門分野 | (オプション)年間15万円~30万円程度 |
(※2020年12月時点、編集チーム調べ)
自分のペースで学習を進められる・自由な時間が多い・不登校の方でも卒業しやすいなどのメリットがある一方、勉強で分からない点を解決できない・自己管理能力に左右される・友達を作る機会が少ない、などのデメリットがあります。
通学の煩わしさや、通学に時間を取られるなどのデメリットはありますが、勉強で分からないところを質問できる・授業や部活を通して友達づくりや思い出づくりを楽しめる、コミュニケーションなど社会性を育める、といったメリットがあります。特に、大学進学を目指す方や、高校生活を楽しみたい方、授業を通して好きなこと・得意なことに熱中したい方などに人気です。
国公立問わず、高校の学費負担を少しでも軽減するための「就学支援金」が支給される「高等学校等就学支援金」という制度があります。2020年からは制度が改正され、私学の通信制高校の高い学費にも手厚いサポートが受けられるようになりました。
国立または私立の全日制高校、定時制高校、通信制高校、すべての高校を対象に、一定の基準を満たしている生徒に就学支援金が支払われます。これにより、高校によっては実質無料で通うことも可能になり、学費の面だけで私立高校に進学できなかった学生の選択肢が拡がりました。 一定の基準とは、以下の通りです。
通信制高校は基本的に単位制なので、就学支援金も1単位ごとに支給されます。支給額は以下のとおとりです。
就学支援金は授業料や受講料に対して支給されるため、入学金や教科書代、給食費などの授業料以外の費用は、別途支払う必要があります。また、授業料が支援金の上限を上回る場合、授業料と支援金の差額分が自己負担となります。
参照元:文部科学省(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1418201.htm)
参照元:【PDF】文部科学省(https://www.mext.go.jp/content/20200117-mxt_shuugaku01-1418201_1.pdf)
千葉県では、経済的な理由で入学金の納入が難しい場合に、金額の一部または全額を軽減してくれる「私立高等学校入学金軽減制度」があります。こちらは、県内私立高等学校の生徒(通信制課程の県外在住生徒は除く)が対象です。
参照元:千葉県(https://www.pref.chiba.lg.jp/gakuji/shiritsutou/gakuhi-josei/josei-nyuugaku.html)
家計の教育費の負担を軽減し、子供たちの進学・在学を応援するために設けられているのが、「国の教育ローン」です。日本政策金融公庫が行なっているサービスで、銀行の教育ローンとは違い、積極的に貸し付けを行なっています。世帯年収を貸し付けの条件として設けておらず、生徒1人ごとに350万円、留学する生徒の場合は450万円を上限として貸し付けを行ってくれます。世帯年収の条件がゆるく、金利が低いため、競争率が高いので注意しましょう。
参照元:日本政策金融公庫(https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/ippan.html)
参照元:政府広報オンライン(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201512/2.html)
コロナ禍に対応するための特例措置として、融資条件が子ども2人の世帯年収上限額で990万円まで緩和され、返済期間も延長されています。特例措置の対象となるのは、前年度と比べ同月の世帯収入が減少している世帯で、減少額の制限が特定されず申請しやすくなっています。利息は年1.70%(固定金利)で、随時申し込みが可能です。
参照元:日本政策金融公庫(https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/ippan.html)
参照元:【PDF】教育ローンコールセンター(https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/pdf/kyoiku_tokurei_1.pdf)
千葉県では、県内在住の方を対象に、奨学資金の貸付(無利子)を行っています。貸し付け月額は1〜3万円。詳しい内容は県、もしくは各学校でご確認下さい。
参照元:千葉県(https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/zaimu/enjo/shougakukin/)
学校によっては、独自の奨学金制度や、提携金融機関の教育ローンを取り扱っている通信制高校もあります。詳しくは、各学校で確認してみて下さい。
「私立の通信制高校は学費が高い」と思い込んでいませんか?通信制高校でも国の制度が適用になるほか、「奨学金制度」や「国の教育ローン」などを利用することができます。どうか学費の安さだけに目を奪われず、お子さんの幸せを優先に、学習内容や校風、卒業率などを吟味した上で、しっかり選んでくださいね。
好きなことを
学びたい
学習スタイルを
選びたい
在宅中もサポート
してほしい
※2023年4月時点で、千葉の34校を対象に、卒業率が公式HPに記載されているスクール上位5校をピックアップし、以下の基準で選定。
興学社高等学院 カリキュラム数が最多。SST(ソーシャルスキルトレーニング)で生徒をサポート
鹿島学園高等学校 学習スタイル最多、全国にキャンパスを展開しており、スクール数が最多
トライ式高等学院 千葉 受験対策専門のプロ講師がマンツーマンで指導