「教科書を読むのにとても時間がかかる」「音読になると一文字ずつ拾い読みになってしまう」。お子さんのそんな様子に、心配を抱えている保護者の方も多いのではないでしょうか。
読むことの困難は、本人の努力不足や性格の問題ではありません。特性を知り、合った学び方を選ぶことで、学校生活はぐっと過ごしやすくなります。この記事では、読字障害(ディスレクシア)の特徴や気づき方、受けられる支援、そして高校選びで大切にしたいポイントを解説します。
読字障害とは、全般的な知的発達に遅れはないのに、文字を読むことや、読んだ文章の意味をつかむことに強い困難がある状態です。学習障害(LD)のタイプの一つで、英語の「Dyslexia(ディスレクシア)」と呼ばれることもあります。
文部科学省は学習障害を、知的発達に全般的な遅れはないものの、「聞く・話す・読む・書く・計算する・推論する」のうち特定の力の習得と使用に著しい困難がある状態と整理しています。原因は脳の働き方(中枢神経系)の違いにあると推定されており、視覚や聴覚の障害、家庭や学校などの環境が直接の原因ではないとされています。読字障害は、このうち「読む」に困難が集中するタイプです。
医学的な診断基準(DSM-5)では、学習障害は「限局性学習症(SLD)」と呼ばれ、その中に「読字の障害」が含まれます。日本の医療現場では「発達性ディスレクシア」「発達性読み書き障害」という言葉が使われることもあります。読むことが苦手な子は書くことにも困難を抱えやすく、読みと書きの困難はセットで現れることが少なくありません。
読字障害の現れ方は一人ひとり違います。次のような様子が続いている場合、読みに特性がある可能性があります。
| 時期 | 見られやすいサイン |
|---|---|
| 小学校低学年 | ひらがなをなかなか覚えられない/一文字ずつ区切って読む(逐次読み)/「きゃ」「っ」などの小さい文字を読み飛ばす・読み誤る |
| 小学校高学年 | 音読で行を飛ばす・同じ行を読む/カタカナの「ソ」と「ン」、「シ」と「ツ」を混同する/漢字の読みが覚えられない/文章題の意味が取れない |
| 中学・高校 | 教科書や問題文を読むのに時間がかかり、テストが最後まで終わらない/英語の単語が読めない・覚えられない/長文を読むと極端に疲れる |
また、聞いて理解する力は保たれていることが多いため、音読の練習を重ねるうちに文章を耳で覚えてしまい、「読めているように見える」ケースもあります。授業での発表や口頭でのやり取りは得意なのに、筆記テストでは点数が取れない、というギャップも気づきのきっかけになります。
日本語のひらがなは一文字が一つの音にほぼ対応しているため、低学年のうちは困難が目立たず、漢字が増える学年や、英語学習が本格化する中学以降に困りごとがはっきりすることがあります。日本語ではそれほど困らなくても、英語の読みで大きな困難が出る場合もあるとされています。
「小学生のときは大丈夫だったのに、中学で急に成績が下がった」という場合も、読みの特性が背景にある可能性を考えてみてください。
読字障害は、書字障害(ディスグラフィア)と重なって現れることが多いほか、ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)と併存することもあります。また、読めないことで失敗体験が積み重なると、自信をなくしたり、不安や登校しぶりにつながったりすることもあります。学習面だけでなく、気持ちの面のケアも大切です。
千葉県には次のような相談窓口があります(2026年11月5日確認)。
| 窓口 | 対象 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 千葉県発達障害者支援センター(CAS) | 千葉市を除く県内在住の本人・家族 | 043-227-8557 |
| 同 東葛飾分室 | 東葛飾エリア在住の本人・家族 | 04-7165-2515 |
| 千葉市発達障害者支援センター | 千葉市在住の本人・家族 | 043-303-6088 |
※CASの相談は予約制です。受付時間などは最新情報を各窓口でご確認ください。
文部科学省は、発達障害などで教科書の文字を読むことが難しい児童生徒向けに、教科書を読み上げる「音声教材」を委託団体を通じて原則無償で提供しています。読んでいる箇所のハイライト表示や文字の拡大など、教材ごとに機能が異なります。申請は学校を通じて行うのが基本ですが、家庭での予習・復習用に保護者から申請できる仕組みもあります。
問題文の読み上げ、試験時間の延長、ルビ付き問題用紙など、評価の基準を下げずに「読むハンデ」を補う工夫が考えられます。2024年4月の障害者差別解消法の改正により、私立学校を含む事業者にも合理的配慮の提供が義務づけられています。必要な配慮は遠慮せず学校に相談しましょう。
公立高校の入試では、別室受験や問題用紙の拡大、ルビ振りなどの配慮を申請できる場合があります。ただし多くの自治体で、中学校での配慮の実績があることが前提になるため、早めに中学校と相談しておくことが大切です。千葉県の具体的な手続きは中学校を通じて確認してください。
大学入試でも、発達障害のある受験生に対して試験時間の延長(1.3倍)や拡大文字問題冊子、注意事項の文書伝達、別室受験などの配慮例があります。申請には診断書や高校での配慮状況の報告が必要になるため、高校在学中から配慮を受けた記録を残しておくと安心です。
高校受験の進め方は、学習障害のあるお子さんが高校受験をする際に大切なポイントでも詳しく解説しています。
「読む量の多さ」は、全日制高校で負担になりやすいポイントです。通信制高校や技能連携校では、レポート学習のペースを調整しやすく、ICT教材を活用できる学校も増えています。見学や個別相談では次の点を確認しましょう。
特に最後の項目は、卒業後に大学進学を考えている場合に重要です。
A. 特性そのものがなくなるわけではありませんが、読みの指導や道具の活用で困りごとを減らすことはできます。「読めるようにする」だけでなく、「読まなくても学べる方法」を組み合わせる視点が大切です。
A. 学校での配慮は、診断の有無だけで決まるものではありません。まずは困りごとを具体的に伝えて相談しましょう。ただし、入試での配慮申請には診断書が求められるのが一般的です。
A. あります。読む量や英語の比重が増える中学・高校で初めて困難がはっきりするケースもあります。気づいた時点で相談すれば遅すぎることはありません。
読字障害は「読むこと」に特有の困難がある特性で、本人の努力不足ではありません。音声教材やICTを使えば、読む負担を減らしながら学ぶことができます。お子さんに合った学び方ができる環境を選ぶことが、自信を取り戻す第一歩です。
個々の特性に合わせた
サポートを受けるなら
学習スタイルを
自由に選択するなら
在宅中もサポート
してほしいなら
※2023年4月時点で、千葉の34校を対象に、卒業率が公式HPに記載されているスクール上位5校をピックアップし、以下の基準で選定。
興学社高等学院 カリキュラム数が最多。SST(ソーシャルスキルトレーニング)で生徒をサポート
鹿島学園高等学校 学習スタイル最多、全国にキャンパスを展開しており、スクール数が最多
トライ式高等学院 千葉 受験対策専門のプロ講師がマンツーマンで指導